2010年6月28日月曜日

Beijing, June (3)



日常的に言葉に置き換えられるのは、建物自身ではなく、建物がどういう情報を持つかである。○○の看板のある‥、と言ったり、△△の店の向かいの‥、など建物自身は相対的には生活の中であまり情報を持ち得ていない。しかし、微細に見れば真っ白で素気なく立っているビルも決して無表情ではない。ヒルベルザイマー(計画)かハチ公(アイコン)かでだけはない、情報過多な時代における建物の公共性という点で一考の価値がありそうである。
(27 June 2010, Beijing by Taketo Nagaoka)

2010年6月25日金曜日

London, June (3)



芝生と舗装路の間に敷き詰められている緩衝材(らしきもの)。公園の芝生は元々カーペットみたいなもので、端をめくられると禿げてしまうので、これで防いでいるのだろう。ぱっと見は人口と自然の境界のようだが、実際はどちらも人の手によって作られている。
(21 June 2010, London by Hiroshi Takeyama)

2010年6月20日日曜日

Beijing, June (2)



庭を取り囲む伝統的な住宅形式である四合院。多くの人で賑わう世界最大の広場である天安門広場は無料で利用できる。農村であった地を整備した朝陽公は入場に5元(年間パス80元)が必要である。北京に来てこの2ヶ月で訪れた限りでは、庭は無料で特定の人々で共有され、広場は無料で不特定多数の人と共有され、公園は有料で不特定多数の人と共有されるようだ。
(15 June 2010, Beijing, by Taketo Nagaoka)

2010年6月14日月曜日

London, June (2)



交通の要所であるためロンドンのヘソと言われるトラファルガー広場は、街で一番社交的なイベントの会場でもある。集会やコンサート、仮説スクリーンでのサッカーやオペラ中継など、様々なイベントが年間通じて催される。ここではチケットを買う必要もなく、多くの人が買ってきたワイン片手に自由に楽しんでいる。無料であることと、平等であること。それが公共空間の本質かもしれない。
(8 June 2010, London)

2010年6月10日木曜日

Beijing, June (1)

これまではランダムに撮った写真をアップしてきましたが、これからしばらくテーマ制を導入してみようと思います。共通したテーマを持ちながら異なる都市の日常を撮ることで、その差異性を浮き上がらせることができるのではないかと期待しています。一、二ヶ月やってみて、最後にまとめとして論考を書いてみる予定です。

第一回のテーマは「公園」です。
このテーマに沿った一枚目が北京から届きました。



左手に椅子を、右手に煙草を持ち横断歩道を渡る老人。向こうの集まりに行くのか、それとも帰るのか。陽炎のように儚くはない、繰り返される都市のアクティビティ。現れては消えるのか、消えては現れるのか。解散した後には煙草の吸い殻が残り、夜がやってくる。 
(1 June 2010, Beijing)

2010年6月8日火曜日

London, June (1)



西ロンドンに2年前に建ったショッピング・センター。驚くほど巨大で、光に満ち、構造的にもかなり高度なことをやっているのに、そこには建築的感動が欠如している。どこかで見たエレメントが再編集されているだけというのは、既視感のあるチェーン店ばかりが溢れるショッピング・センターという存在そのものに似ている。
(31 May 2010, London)

2010年6月5日土曜日

試運転開始

それにしても、都市は面白い。
一度その面白さにとりつかれてしまうと、もういけない。

歴史ある建造物も、人で賑わう大通りも好きだ。しかし一番面白いのは、綺麗に改修された教会や、どこにでもあるチェーン店が軒を連ねる表通りよりも、薄汚れているが、生活の匂いの満ちている裏通りを歩いているときではないだろうか。

都市の素顔が知りたい、と思う。
表向きに整えられた顔ではなく、そこに生活しているからこそ見えてくる、もう一つの街の顔を。



このサイトは、それぞれの街に住むメンバーが、日常のなかで垣間見る都市の素顔をスナップ写真として記録し、集積していくことを目的としています。

毎週一枚の写真をそれぞれの街から更新するのをベースとしつつ、月に一回程度のペースで論考のようなものも書いていければと思っています。また同じフォーマットを他都市で同時に行うことで、比較・検討しつつ、それぞれの街の特徴も探っていけたらと考えています。



尚、現在本サイトを準備中で、このサイトは試運転としてやっています。
そのため変更等が多くあるかもしれませんが、ご了承ください。