2010年7月20日火曜日

London, July (3)



ヌーヴェルによる今年のサーペンタイン・パヴィリオン。柔らかな緑を切り裂く、真紅のシャープなオブジェ。緑に溶け込むような去年のSANAAのアプローチと好対照をなしている。溶け込ますか、切り裂くか。どちらも自然と対峙する建築のあり方として美しい。
(16 July 2010, London, by Hiroshi Takeyama)

2010年7月18日日曜日

Beijing, July (2)



IKEAに行ってきた。エントランスを入るとエスカレータで3階まで登り、3→2→1と降りていくよう計画されている。途中で後戻りのできない一方通行の動線計画は、買うか買わないかの決断を迫るショッピング空間としては感心する一方、まず寝室を想像し、次はキッチンを想像し、リビングを想像し、子供部屋を想像し、ペットのことを想像するように強要されていることに違和感を覚える。あるいは購入者はショッピングを楽しむのではなく、しっかりと計画を立て、計画通りに用事を済ませるのだろうか。

(11 July 2010, Beijing by Taketo Nagaoka)

2010年7月13日火曜日

London, July (2)



東ロンドンのDocklandという場所に住んでいる。その名の通り、かつては大量の帆船が停泊していた港だが、現在はロンドン随一の新興商業地域となり、近代的なビルが次々立ち上がっている。いくつか残されたクレーンは、皺だらけの老人のような寂さを湛えている。昔の機械が人間のように思えることが多いのは何故だろうか。
(10 July 2010, London, by Hiroshi Takeyama)

2010年7月7日水曜日

Beijing, July (1)




オルドスの郊外。やがて、政府による用途計画に基づき、公共施設や商業施設、住宅が建設されるのだろう。政府→建築家ではなくディベロッパー→建築家という流れのなかで、商業施設の公共性について、建築家は真面目に考える必要がある。生活者としての都市の中心は、官庁街ではなく、三里屯や西単のような商業地域なのだ。
(29 June 2010, Ordos by Taketo Nagaoka)

2010年7月4日日曜日

London, July (1)



中古を安く買って以来、自転車で外出することが多い。街を見るのに自転車は本当に快適だ。徒歩では遅すぎるし、車では早すぎる。が、シティの古い町並みは細い道ばかりで一方通行が多く、頻繁に迷子になってしまう。そんなとき建物の影からSt. Paulのドームが現れると、途端に街と自分の関係が把握可能になる。
(3 July 2010, London, by Hiroshi Takeyama)