ヌーヴェルによる今年のサーペンタイン・パヴィリオン。柔らかな緑を切り裂く、真紅のシャープなオブジェ。緑に溶け込むような去年のSANAAのアプローチと好対照をなしている。溶け込ますか、切り裂くか。どちらも自然と対峙する建築のあり方として美しい。 (16 July 2010, London, by Hiroshi Takeyama)
東ロンドンのDocklandという場所に住んでいる。その名の通り、かつては大量の帆船が停泊していた港だが、現在はロンドン随一の新興商業地域となり、近代的なビルが次々立ち上がっている。いくつか残されたクレーンは、皺だらけの老人のような寂さを湛えている。昔の機械が人間のように思えることが多いのは何故だろうか。 (10 July 2010, London, by Hiroshi Takeyama)
オルドスの郊外。やがて、政府による用途計画に基づき、公共施設や商業施設、住宅が建設されるのだろう。政府→建築家ではなくディベロッパー→建築家という流れのなかで、商業施設の公共性について、建築家は真面目に考える必要がある。生活者としての都市の中心は、官庁街ではなく、三里屯や西単のような商業地域なのだ。 (29 June 2010, Ordos by Taketo Nagaoka)
中古を安く買って以来、自転車で外出することが多い。街を見るのに自転車は本当に快適だ。徒歩では遅すぎるし、車では早すぎる。が、シティの古い町並みは細い道ばかりで一方通行が多く、頻繁に迷子になってしまう。そんなとき建物の影からSt. Paulのドームが現れると、途端に街と自分の関係が把握可能になる。 (3 July 2010, London, by Hiroshi Takeyama)